資産オーナーの課題を、独立・公正・中立の立場から解決する

Part2 不動産相続に潜む『負債』になる不動産

バブルのターニングポイントになった『総量規制』

金井
ちなみにさっきの不動産バブルや『住専問題』で取り上げた『総量規制』を若い年代の人にもわかりやすく解説するとこんな感じです。
金井
さっきのように不動産価格が高騰していたため、不動産金融機関が不動産への融資を過剰にやりすぎている。しかも不良債権になりそうな不動産もたくさんある状態だったと。そんな中で、国(当時の大蔵省)は不動産価格の高騰を抑えようとして、「金融期間に不動産への融資を抑えなさい」と指導(実質命令みたいなものでしたが)したというのが『総量規制』です。
金井
不動産って、売るにはいい土地・物件があってもお金がないと買うことができない、だから金融機関が融資しているわけです。ところが『総量規制』をやった途端、不動産会社は金融機関からお金を借りることができなくなってしまった。多くの不動産会社が、不動産を仕入れることができなくなったんですね。
金井
『総量規制』によって不動産会社が、「自分が売るための商品」を仕入れるためのお金がいきなり無くなってしまう、そうすると不動産を売る人はたくさんいるのに買う人がいない。このような不動産会社がたくさんできてしまって不動産価格が暴落>バブル崩壊になったんですね。国も慌てて規制に入っちゃったっていうところもありますが・・・。
川上
金融機関も不良債権抱えちゃうから、金利払え金返せって大騒ぎしたんですよ。もう不動産屋も金融機関もみんな色々極端な時代でしたね。
金井
川上さんが独立してから、不動産市況がバブルで沸いた時期と、崩壊後萎んだ時期と両方を経験なさっているわけですが、そんな経験を活かして現在はどのような事業に注力していらっしゃいますか?
川上
そもそも独立したばかりの頃は、デベロッパーを紹介する仕事をやってたんですよ。ただ彼らが一回知り合いになっちゃうと私が介在する必要がなくなっちゃうから、そのうち大手不動産会社のやらない・できないことを仕事にしないとならなくなってきちゃった。私のような小規模で知名度のない会社に依頼するより大手さんに頼んだ方が安心できるから。
金井
まあその大手も実際高く売れるかどうかについては別ですけどね。大手不動産会社だからといって実際は担当者の力量によって結果が大きく変わってきちゃいますし。
川上
それは別問題だけれどもね(笑)とはいえ依頼者の側からすれば、安心して任せるためにブランド力のある不動産会社に駆け込むと。依頼者の意図としては、トラブルが起きたときのことを考えて大手の不動産会社に頼んでるんですね。
金井
極端な話、例えば「担当者が不動産の売り上げ代金を持ち逃げしちゃった」みたいなトラブルを避けるならば、ということですね。
川上
さっきも言ってたように、怪しい不動産屋が当時はまだ多かったから(笑)そんな情勢下の中、小さい会社のうちがやっていることを例として挙げるならば、『確認が取れない土地の上にアパートが乗っかっているような不動産』とかかな?

不動産相続に潜む『負債』になる不動産

金井
専門家以外の人にもわかりやすいよう、もうちょっと具体的なところを。
川上
代表例を挙げるとだけど、今の法律だとアパートって道路に十分に接してないと建てられないことになっているんだけど、現実として旗竿地というものが存在する。これは道路に少ししか接してない土地で、区画の真ん中の土地から竿の部分が辛うじて道路に接している(上から見ると旗のような形になっている)土地なんだけれども、その旗竿地にアパートが建っていることって結構ありますよね?
金井
これって昔の建物の場合、しょうがないねってなるけれども、再建築するときアパート建てられないですよね?役所が認めてくれませんから。
川上
そう。段々建築年数も経ってきて、もしその土地に何か新しく建てるなら、道路を広げるようにしてからアパートを建てるかアパートじゃない普通の家を建てなさいってことになるんです。このため旗竿地って土地利用がやりづらくて、土地の価値が下がってしまう。ゆえに不動産価格も低くなりがちなんです。
川上
そこで不動産の価値と収益性を逆算して、安い値段で私の持っているお客さんに転売する。人によっては「安く不動産を買うことができるのなら」という需要があるので
成り立っていますがね。
金井
不動産会社って非常に個性的なイメージですが、不動産を買うお客さんもまた同様で、旗竿地みたいな『不完全な土地』でも欲しいという人も多いっていうことですね。
川上
そのとおりです。
金井
ただ、『不完全な土地』って税金面で非常に不利になるんですよね。相続税も固定資産税も原則として『完全な土地』として計算されます。『不完全な土地』の場合、その後少し控除してくれるのですが、あくまで少しでしかないので、高く売れない土地であるのに税負担が多い土地、いわば負債になってしまうことになるのです。
金井
だから不動産オーナーからすれば、川上さんを通して負債になっている土地を買い取ってもらえる。買い主からすれば安く不動産を買うことができるということになるわけですね。元々の持ち主が得る売却額は小さいけれど、それでもそのお金で生活費や税負担に充てたりできる。
川上
そういうことです。私はそもそも「不動産に売れないものはない。売れないのは値段が高すぎるから」と考えています。
金井
ただその論理でいくと、最近地方なんかの土地は、どんどん相場が下がっているじゃないですか。特に山林とか駅から離れた土地とかはもう値段がつかないような場所があって・・・。
川上
それは金井先生ちょっと甘い!そういう土地はもう売れないのが当たり前なんですよ。だからもしそういう値段がつかない土地、言い換えれば負債にしかならない土地を持っている不動産がいるとすれば、負債を『捨てる』ことを考えないとだめでしょうね。
金井
川上さんの意見は『捨てる』ですか。でも『捨てる』といっても登記がありますよね。
川上
文字通り不動産を『捨てる』ことはできません。そうした『捨てる』しかない不動産を買い取るところを紹介します。産業廃棄物と同じようなで、例えば冷蔵庫を捨てるにもお金がかかるじゃないですか。
川上
お金を払って負債となる不動産を引き取ってもらったこともありました。もっともさっきのやり方を、ただお金を掠め取るだけが目的で行う会社もいるので、トラブルに巻き込まれないように気をつけないといけませんが。
金井
そういう意味でしたか。しかし、いずれにしても値段がつかない不動産を持っている不動産オーナーはこれから先苦労することになりますね。
川上
苦労するでしょうね。
金井
僕も個別相談で、値段のつかない土地を持っている相談者がいらっしゃると「このままこの不動産持っていても経済的合理性が乏しく、負担になるだけですよ」って言うんですよ。でもこだわりを持っている人が多くて、不動産にしがみついちゃっているような感じです。でも放置していると段々病状が悪くなってくる。
川上
不動産が資産だよって思っている人は多いけど、マイナスの資産っていうのもあるということがわかってないみたいなんですよね。
金井
一方で、これも不動産売買の話なんですが、例えば1億円の土地を持っている人がいて、その上に鉄骨鉄筋のマンションが建っていて、解体費用に5千万円かかるとする。建物って、さっきの資産か負債かという考え方だといつもプラスの資産とみなされるのですが、そのせいで、建物を取り壊して販売すると5千万円でしか売れないんですよ。解体費用の分だけ不動産の価値が下がってしまって、元々の価値からマイナス5千万円で売買することになってしまうんですよ。
金井
マイナスの不動産を処理しようにも、建物のせいで安く売るしかない。しかも解体するしかない建物にも税金はかかるので、負債になる不動産を所有している人は何重にも苦しむことになってしまうんですよね。
川上
解体費用が土地の価格を上回っていることもありますよね。それと、私の見たひどい例なんだけど、地方の方なんかで借地権で貸して建物を建てさせているところを見たことがありますね。その建物自体に需要がないんだけれども、固定資産税と借地料だけは間違いなく持っていかれているっていう。
金井
特に人口の減ってくる地方や郊外の不動産オーナーさんは早急に作戦を立てないと大変ですね。

高騰する今の不動産市況は果たしてバブルなのか!?

金井
今度は都心の話になるのですが、都心の不動産価格って近年かなり高騰していますよね。これを不動産バブルと目する人も少なくないのですが、川上さんから見るとどう思いますか?
川上
バブルの定義って現状定めることが結構難しいのでなんともだけどね・・・。でも路線価の2倍以上にまでなってくるとさすがに怪しいと思うけどね。
金井
やっぱりそう思います?都心の家賃って実はほとんど上がってなくて、場所によっては下がっているくらいなんですよね。それなのに不動産価格は上がりっぱなしなのを見ていると、どういうことなのかなって・・・。
川上
相場の変動が収益上と合わないよね。
金井
やっぱりそうですよね。ただ1980年代の不動産バブルのときの違いを挙げると、金利がすごく安いですよね。金利が安いってことは、その分キャッシュフローが良くなるから、金利が下がるってことは、その分不動産の価値が上がるっていうことになるので。ただそれにしても、ずっと低金利が続いている中これだけ高騰しているのを見るとバブルかなって。
川上
今、所帯もってる人の年収って400万円くらいじゃない?
金井
国税庁の統計ではそうですね。
川上
となるとですよ。そのくらいの所得が普通のご時世でこの不動産価格の高騰具合を見てると、こんな値段の不動産誰が買えるのかねぇって思っちゃうよね。
金井
全く本当ですね(笑)さらに言えば、これから所得税も上がる。社会保険料も上がる。もうすぐ消費税も上がると言われていますからね。
川上
せいぜい1000万~2000万円くらいのマンションが買えるか買えないかって所得水準だよね。ちなみに持論だけど、不動産の話というのは四則演算ができて理解できるものだと考えている。だけどそうした計算に合わない価格っていうならば、やっぱりバブルなんじゃないかなぁと思ってるんですよ。

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