資産オーナーの課題を、独立・公正・中立の立場から解決する

実際にどんな場合だと鑑定評価が認められることがあるの?

金井
そうするとですね。今不動産オーナーの相続の問題が難しくなってきているでしょうが、鑑定評価による申告が通るはずなのに通達で出している例も、相当多いのではないでしょうか?
芳賀
私の感覚では申告の98%がそうだとおもいますよ(笑)
金井
それは相当数ですね(笑)
芳賀
相続税評価時に、ほとんどが不動産鑑定士を使ってないですから。うちの年間の案件数で、広大地で三百数十箇所、相続税の申告で百件あるかないかです。一都三県でこの数が、年間の相続税案件の全てということはないですから、恐らく全国で1%くらいしか使ってないんじゃないでしょうか。
金井
あの、貸宅地って鑑定評価でいけるんですかね?
芳賀
はいけるのといけないのがあります。負けた例が挙げるのですが、某税理士事務所からの相続税の更正請求についての案件でした。13箇所の底地を持ってた地主さんがいたのですが、底地評価1億1500万で申告しました。これは路線価に基づく評価です。
金井
通達評価によるものですね。
芳賀
ええ。そして、納税資金のために売るのですが、A社が6800万でB社が5200万か5500万かな?C社が5100万による三者入札です。みんな大手企業の入札ですね。
金井
底地買取業者ですね。
芳賀
そう。すると6800万の人が落札するわけですよね。路線価評価が1億1500万で売却額が6800万、売却額が時価と思うじゃないですか。
金井
ええ。
芳賀
そうしたら私のところに「6800万で売却した底地がありました。検証のため鑑定をやってください」という依頼がきました。既に売れてるんだから、6800万が時価と思いますよね。そこで鑑定評価5700万ぐらいの評価で、6800万の売却額は時価として妥当であるという鑑定を提出しました。
金井
相続税更正の請求だったんですね。
芳賀
そう。それで某税務署が更正請求したら、否認になってしまった。異議申し立てもして、不服審判所にも行きましたが、ダメでしたと。不服審判所の意見書は、ざっくり言うと「底地買取業者が買ったので、明らかに時価としては低すぎる」というものでした。三者入札で落札したのだから、妥当な金額なはずでしょう。
金井
確かに三者で入札しているのですよね。納税資金に困ってて売り急ぎで一者だけの入札だったみたいなことならばそのとおりなのでしょうが・・・。そういうのがあったわけでもない。
芳賀
そんなことはないと思いますよ。大手仲介会社も絡んでやってますので、妥当な売却額だと思います。そもそも底地については、40%では高すぎるんですよ。
金井
収益還元で言ったら、絶対そんな金額出ませんよね。

芳賀
ええ、全然出ません。たぶん10%くらいしか出ません。一方で、当初申告で認められたケースもあります。これはですね、43箇所の底地なんです。全部で4400平米、一筆ですね。それで43人借地人がおります。これ5~6年前の話なんですけど。これが路線価評価で計算すると3億なんですよ。納税資金のために売却すると、一番上の入札で2億円。この金額で落札されました。その後、某財産コンサル会社から私のところに依頼が来まして、「時価2億円ということで、万一税務署が否認したときのことも考えて鑑定評価を検証したい」ということで、引き受けました。すると鑑定評価額1億5000万しか出ません。それで鑑定書を提出して、最後には税務署に2億円で申告しました。これは大丈夫だった。
金井
今のお話だと、通達よりも売れた金額が低かったわけじゃないですか。売れた金額で申告するとたまに税務署が文句を言ってきたりするんですけどね。さらにその逆の例もあってですね、通達の金額よりも高く売れてしまったんですよ。亡くなる2日前に登記を変えたりしたのが、この申告は売れた金額で出せと税務署が言ってきた。つまり「売れた金額より通達評価が高ければ、売れた金額で申告したら否認」「通達評価より売れた金額が高ければ、通達評価で申告すると否認」になるわけですよ。まあ、このケースには契約と引渡しの間に亡くなった事例なので、否認の理由は正しいんですけれども、いいとこ取りと思うところもあるんですよね。だけど審判所もね・・・。
芳賀
審判所も悲しいかな、国税寄りですね。
金井
そうですよね。税務調査ってサッカーと違って、審判も相手国の人間というかなり分の悪い勝負の世界ですからね。イランと試合するのに審判の人全員イラン人みたいな。そんな中で試合するのですからそりゃ大変なわけですよね。
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