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「広大地」の税制改正で、一部の不動産オーナーの相続税が激増!?

金井
次に、広大地についての質問に移りたいと思うのですが、これちょっと不動産に関わる人以外だとわからないと思うので、簡単に説明します。芳賀先生が非常に得意とする分野に、「広大地」という考え方があります。不動産オーナーが持つ「すごく大きな土地」があったとき、あまりにも大きすぎると「生産性」が落ちるんですよ。大きすぎても小さすぎてもいけない。だから一坪あたりの不動産の価値が下がってしまうんですね。なので「価値が落ちてしまった分だけ相続税も安くしてあげようじゃないか」、これを「広大地」という制度で、相続税法上認められているんです。ところが、土地が大きいだけではダメで、その他のいくつかの条件を満たすと広大地として認められる。ところが、広大地の判断基準が、実務上あいまいで、担当官によって言うことが違ったりするのですね。しかも、広大地と「認められた場合」と「認められない場合」で、相続税額が半分違ったりするわけです。ですから納税する側からすると「死活問題」と言えるわけです。広大地については、こうした「アンフェアな実態が存在する」ことを今年の税制改正の文言で国税庁は認めています。そこで芳賀先生に、広大地を認めてもらうときのサポートをお願いすることがあるんですが、もうちょっと具体的なお話と、先生のサポートについて教えていただきたいと思うのですが。
芳賀
皆さんが広大地についてどのように理解されているかというところもあるんですが、基本的に首都圏では、一利用単位で500平米以上で、広大地に該当するかという基準になります。ただ細かい話になりますが、500平米以下でも認めてくれることもよくあるんですね。そして、広大地の最低要件として、「マンション適地でないこと」「戸建て用地にするにあたって、道路を開設する必要があること」という2つがあります。ただ、ここで判断が難しいのは、土地にマンションが建っているときで、うちの案件ではないのですが、去年8階建て賃貸マンションが建っている土地が広大地として認められてしまった事例があるんですよ。また先月6階建て賃貸マンションが更正請求で認められました。これらは色んな理屈付けがあるんですね。不動産鑑定士のノウハウが無いと対応できない領域になってきます。そもそも、広大地の概念は、不動産鑑定から来ています。税制改正後の「広大地」に変わる概念である、「地積規模の大きな宅地」というのも同様です。ですから税理士さんが必要であれば、鑑定の部分でサポートをしているということになります。なので、気になるという方がいらっしゃいましたら是非ご相談ください。まだ更正請求もまだ5年間ありますしね。
金井
そうですね。ただ更正請求ができる期間は、亡くなった日基準で5年間10ヶ月までですからね。先ほどの「マンションに広大地」というお話は、「マンション適地」がダメなのであって、マンション建ててはいけないところでマンションを建てる分には大丈夫というお話ですよね。
芳賀
そういうことです。
金井
僕もそれで争ったことがあるんですよ。「マンションが建っているんですが「空室だらけ」で、周りの不動産が戸建てばかりみたいな状態だと、間違って建ててしまったんじゃないか」、ざっくり言うとこういう理屈だったんですよ。だから「このマンションは間違って建てたんだから、空室だらけなんだ」という理屈が、認められたりするんですね。ただ、担当官がすんなり認めてくれることはないですから、そうなった場合に専門家のサポートがあったほうがいいと思いますね。ただ「マンション適地」の例はまだいい方で、「敷地延長の私道」など、不動産鑑定の専門家でないともっとわからない問題が一杯あったりするんです。税理士にも、担当官にも、裁判官にもわからないというものなんです。
金井
この広大地の制度なんですけれども、先ほど芳賀先生も仰ったように、来年から変わって、「地積規模の大きな宅地」に変わります。国税庁が持つ、広大地についての問題意識は主に2つで、まず「判断基準があいまいで、アンフェアな実務の実態がある」こと。もうひとつは「広大地として認めた場合、相続税を安くしすぎてはないか」ということなんです。ですので、今回税制改正する際、広大地の制度を改善すべき点として、「判断基準を明確でフェアにしましょう」「相続税を安くしすぎているので、直しましょう」という2点を要点として、来年1月1日以降の相続発生から、広大地の制度が使えなくなります。来年以降の「地積規模の大きな宅地」では、これまでのようにあいまいな適用要件ではなく、かなりフェアな制度になったかと思います。ただ広大地のときと比べてあまり税額が優遇されないと思うのですが、この辺いかがでしょう?不動産オーナーの相続税が増えると見て・・・。
芳賀
もう大増税ですね。
金井
大増税ですよね。

芳賀
大体ですけれども、500平米の規模で、30%アップの鑑定評価、それから5000平米の規模で75%アップという評価額になります。この税制改正を受けて、「相続時精算課税を使って今年中に広大地評価で生前贈与しよう」という案件が急増してます。
金井
僕が、贈与だと気になるのが、登録免許税の面が相続の場合より結構負担になるのでその点がちょっと・・・。
芳賀
もちろん何千万単位の案件だと、このやり方はだめでしょうね。ただ一億以上の案件であれば、相当メリットが出てくるかと。
金井
ですよね。じゃあ「一概に」ということではなくって、「選んで」ということで。
芳賀
そうですね。全部が全部ということではないので。ただこのやり方を使うと当面は贈与税を払わなければなりませんから、相続税を一億円くらいは払わなければならないんですよね。この贈与税額が準備できていない人は使えないやり方にはなりますけど。
金井
そうすると、来年から新制度ということになりますが、広大地制度を適用して生前贈与以外にいい方法というのは中々なさそうですね・・・。
芳賀
中々ないでしょうね・・・。
金井
となると、残り数ヶ月で贈与する土地をいくらか選択して生前贈与するか、制度が変わることを受け入れて、別の方法を考えるかということですね。
芳賀
言い方が悪いかもしれませんが、この広大地制度の変化は、税理士さんにとっては、商売の大きなチャンスになるんじゃないでしょうかね(笑)ある程度の富裕層の方は、相続税の試算をされていると思いますが、その試算が全部やりなおしになってしまいますからね。今まで相続税が3億円だった試算が5億円になってしまうようなできごとですから。
金井
そうなると不動産オーナーとしては、試算・分析を早期にやることがまず一番大切な対策と言えますね。
芳賀
それから、広大地が500平米以下でも認められることがあると述べましたが、新制度では「判断基準を明確でフェア」になるぶん、500平米以下の土地はまず認められなくなります。
金井
現行通達があいまいな書き方になっているから、こうしたアンフェアなことになってましたが、今回の通達の書き方は明確で言い切ってますからね。土地オーナーにとっては、こういった、500平米という制度のボーダーライン付近にあるかどうかの現状を理解することも、より大切ですね。
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