資産オーナーの課題を、独立・公正・中立の立場から解決する

Part2 不動産オーナーに不利に働く、「囲い込み」の問題点

「両手仲介」が不動産オーナーに悪影響を与えるわけ

金井
そんな不動産の売買仲介の現状とイメージというところについてとくに様々な商習慣がありますが、それについてお聞かせいただけますか。
田邊
まずさっき金井先生もお話した「両手仲介」についてですね。両手仲介というのは買い主と売り主に仲介者が一人で間に入って仲介をするというもので、弁護士で例えるなら「双方代理」をするようなものです。
田邊
だからさっきの一億円の取引の例で612万円になるという話だと
「3%+6万円」を片方の取引相手からいただく手数料として、買い手と売り手の両手からいただいて、612万円の手数料を得るということです。こうすることで、仲介した不動産業者の受け取る収入が2倍になるんです。
田邊
ただ、この商習慣の悪い面をはっきり言うと、片や買い主との話では売り主に都合いいことを言って、売り主との話では買い主に都合のいい話をするというもので、中立な立場で取引できないんですね。この点において、お客さんから見たらとても良くない習慣だと思うんですよ。
田邊
去年雑誌に出ていたニュースで、大手不動産会社の不動産取引における手数料率のランキングが掲載されていましたが、その手数料率が軒並み4%以上ということでした。普通3%+6万円が仲介手数料な業界ですから、両手取引が多くなってきているっていうことなんです。
金井
僕は「両手取引」って、顧客にとってネガティブな影響があると思っていて、例えばあるお客さんから不動産売って欲しいってなったとき、その不動産会社がお客さんに対してすべきプロとしての仕事は、「一円でも高く買ってくれる買い主を見つけて売買を成立させる」ってことじゃないですか。そのためには「できるだけ多くの買い主に声をかける、ないしは買い主を知っている不動産会社に声をかけて、高い金額で売買を成立させる確率を上げる」ことが大切になります。
金井
ところが仲介会社が「両手仲介」をする動機が強いと、さっき言った「買い主を知っている不動産会社」には声をかけない。「両手仲介」ときより仲介手数料が半分になってしまうからです。だから自分の知っている買い主しか声をかけない。結果として仲介会社の都合で、高い金額での売買成立をさせる可能性を小さくしていることになるんです。もっと高く売れたかもしれないのにという点で、売り主が損をするって構図になりますね
金井
だけどこれって政府の規制って入らないんですか。
田邊
大きな問題として取り上げています。この問題を「囲い込み」と言われます。
田邊
不動産の仲介を行う際、お客さんと不動産仲介会社で媒介契約というものを結びます。この媒介契約には3種類あって

・ 一般媒介契約
・ 専任媒介契約
・ 専属専任媒介契約

以上の3つになります。

田邊
簡単に違いを説明すると

・ 一般媒介契約とは、不動産会社何社でも仲介を依頼できる媒介契約
・ 専任媒介契約と専属専任媒介契約は、不動産会社1社だけに仲介を依頼する媒介契約

ということです。

田邊
また、専任媒介と専属専任媒介では、顧客の「囲い込み」を防ぐために、REINS(レインズ)という不動産会社ならどこでも見ることができるサイトに、物件情報を登録することが義務づけられています。
田邊
最も、物件情報を登録してない事例もあって、結果「囲い込み」になってしまうということで、政府の方も問題視しています。REINSを業者だけでなく、一般にも公開しようという試みがあるそうですが、中々進まないのが現状です。

業者にしか見えない「キックバック」で顧客が損をする

金井
「両手仲介」以外にも、「キックバック」っていう商慣行っていうのもありますよね。簡単に言うと、取引相手の仲介会社とグルっていうことですよ。
金井
例えば5000万円で売れる不動産があるとします。売り主は高く売りたい。買い主は安く買いたい。こんな意図が働く中で、仲介会社が売り主を説得して、本当は5000万円のところを4000万円で売ってもらう。買い主から、値下げした1000万円の一部をもらう。これが「キックバック」です。こういった商慣行も、一部の不動産会社で存在しているのは事実です。こうなると、真面目に仕事している不動産会社も、悪い目で見られてしまうと思うんですよね。
田邊
この「キックバック」って、売買取引だけでなく、私のやっている不動産管理にも存在しているんです。

田邊
例えば、管理している建物の中で、エアコンが壊れたとします。修繕しなくてはならないってときに、不動産管理の会社の知っている工事業者を紹介して修繕する。この修繕費が結構高かったりするわけですが、その後修繕費の一部が不動産管理会社にキックバックされるという具合です。こういうのも蔓延してるんですよね。
田邊
また大手だと、親会社と子会社の関係を活用した方法で親会社が買い取った不動産を、子会社に安値で買い取らせて、後に転売したときの利益をキックバックするというものもよくあります。
田邊
これを無くそうとした場合、さっきのREINSみたいなものを解放するなどして「価額情報の開示」というものを多くしていく必要があるのですが、中々進んでいないんです。
金井
さっきの修繕の話、エアコンぐらいだったらまだ安いでしょうが、大規模修繕になると、お客さんにとってかなりまずいですよね?
田邊
そうですね、金額の大小が違ってきますし。ですが大規模修繕にもキックバックはある話です。区分所有マンションで、そのマンションの管理組合の代わりに動いている管理会社というものがありますが、修繕の金額が管理会社によってだいぶ違ってきますよね。これもキックバック分の利益の分だけ、修繕費が割高になっているということです。
金井
この前あった話なんですが、大規模修繕をしつこく提案営業してくる会社にお客さんが困っていて、僕が追い返したことがありました。その会社は大手企業で、子会社に修繕の会社があるはずなんですが、子会社じゃない修繕会社を紹介してくるんです。これ見て「もうキックバック目当てだな」と思って、「あなたの会社、子会社あるよね?なんでそこに頼まないの?」って色々言って「他の会社にも見積もり併せ取る」っていったら二度と来なくなりましたよ笑 というのも僕は大規模修繕の知識があるわけじゃないですが、本体会社が建設の仕事が多くて忙しいから、キックバック目当てで営業に来たって察することができるじゃないですか。
金井
一方で、妥当な修繕費がわからないから、どこに修繕を依頼したらいいかという問題は解決してないというのも事実なんですよ。僕が監査法人にいたからかもしれませんが、仕事の発注者とアドバイザーが一体になっている時点で非常に危ないって思います。
金井
かといって見積もり併せだと必要以上の値引き合戦になってしまう可能性もあるので、設計事務所(設計事務所が必ずいいかはわからないですが)のような、専門家かつ個人でやっている人に、「セカンドオピニオンだけ」依頼するということを解決策として考えてますが、どう思いますか?
田邊
その考え方はとても有効ですね。一方で、ただアドバイスをするだけでお金を取られるという考え方が不動産オーナーの中では強いでしょうから、お客さんの方も、信頼できるセカンドオピニオンの提供する情報のような、「価値ある情報に対してお金を払う」という考え方に目を向けなくてはならないでしょうね。

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