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難しいと言われる、「物納」という選択肢の隠れた有効性

難しいと言われる、「物納」という選択肢の隠れた有効性

金井
相続税に対して『物納』という手段も考えられますが、『物納』についてお聞かせ願えますか。
山口
金井さんもご存知とは思いますが、平成18年に物納の取扱いが改正されて以降、物納という手段を取るための要件が以前より高くなりました。難しいと言われがちな物納ですが、本当は物納できるのにあきらめてしまう土地オーナーさんも多いのかなとは思います。物納できるのに、真っ先に底地買取業者に行く人は結構多いかと。
金井
相続税法の延納物納の条文って結構多くて、私も一通り読んだんですが、やっぱり「誤解が多いな」という印象を受けました。「貸宅地の物納は皆さんが思っているほど大変ではないのでは」と。ただ延納とセットで考えなければならないので、ここがちょっと、難易度が高くなるところかなと思います。
金井
もっとも物納は相続後の話になりますから、生前からの対策としての「建物オーナーへの売却」、物納は、その次点の手段ですね。それでもダメなら底地買取業者という優先順位じゃないかなと思います。
金井
ただこうした情報ってほとんど出回っていないように思えます。上場会社が実際に存在する程規模が大きい底地買取業者の広報力もあるのでしょうが、実際には安価で売却して、随分損をする土地オーナーが多数派のような気がしますね。
山口
こうなっている要因には、(辛辣な言葉になってしまい恐縮ですが)土地オーナーさんの勉強不足によるところが非常に大きいと思いますね。
山口
底地買取業者に売ることが100%悪手とは言うつもりは毛頭ありませんが、結果として土地オーナーさんが損をするというケースが大半かなと私も思います。底地買取業者のセールストークは、土地オーナーさんに売ってもらうために、不安になるような情報をいっぱい並べてくるんですね。セールストークの内容は半分事実な一方、安く買い叩けるように、不安を煽ってくるわけです。
山口
この不安を煽る情報に対して、土地オーナーさんの無知であるがゆえに、財産を必要以上に失ってしまうことに繋がっていると、私は考えています。1年2年時間の余裕が必要ですが、猶予があるならば、建物オーナーさんと交渉したり、様々な問題解決手段を模索したりしてみる。それでも問題解決できないときに初めて底地買取業者に駆け込むべきですね。
金井
建物オーナーさんとの交渉ってストレス溜まりますから、土地オーナーも面倒臭がっているところがあるとは思うんですよね。
金井
例えばひとつの土地に10人の建物オーナーがいたら、10人分と交渉しなければなりません。じゃあ土地を買うつもりの人が出たら、今度は境界を確定しないと、さっきのように買い取るための融資がつかない。じゃあ境界を確定しようとしたら建物オーナー10人のうちの1人に恨み節を言われて境界の確定ができないみたいなことになったりする。道路に接していない貸宅地があったとすれば、再建築不可の土地になってしまい、道路をつけるためにまた別の交渉をしなければならない。
金井
こんな具合で、人間関係がうまくいってない人と会わなければならなかったり、必要な交渉が途中で増えたりもしますから非常に体力を要するわけです。それと比較すれば、底地買取業者に売却すれば交渉の手間は要しないわけですから、非常に楽なわけです。楽した分だけ次代へ引き継がせたい財産を、必要以上に切り捨てることにはなりますけどね。

もし処分できなかった底地が残ったら、どうすればいい?

金井
ただ、解決手段を模索する中で、全部の建物オーナーさんに土地を引き取ってもらえるとは限らないわけです。物納の要件を満たせない土地も当然出てきます。引き取り手がつかなくて、物納もできない底地というのであれば、初めて底地買取業者が選択肢として出てくるのかとは思いますが、「それほど条件の悪い底地を買い取ってくれるのか」という疑問もあります。
山口
底地買取業者の特性として、上場するほど大手であるところほど利回りが良いかで買うかどうかを考える癖があります。なので条件が悪くても利回りが良ければ買ってくれるかもしれません。
山口
ただ、底地買取業者が買い取った後、「しばらく貸し付ける」という状態を維持しなければならない必要があるので、地代が固定資産税と同程度か前後くらいの水準であれば、利回り目線である大手業者はちょっと厳しいと思います。
山口
かといって中小の底地買取業者が買い取ってくれるかというのも、資金力に限りがありますからかなり厳しいと思います。それでも「よっぽど悪い条件でも買い取ります」という業者がいたとしたら、その業者が反社会的な不動産業者の可能性も出てきます。うちの会社では、コンプライアンスの都合上、反社会的な不動産業者を紹介することはできませんが(笑)
金井
そもそも土地オーナーさんって、その地元の名士なわけですから、反社会的な業者が自分の不動産に入り込んできたら大変ですよ。建物オーナーに、建物から立ち退くよう脅してきたら、土地オーナーさん評判に傷がついちゃって、街に住めなくなってしまうかもしれないから・・・。そういう意味でも、付き合う業者も選ばないといけませんね。ただ反社会的な業者を一回会っただけで見抜くのって結構難しかったりしますから、かなり慎重になるしかないところではありますが。
金井
じゃあ、「買い手がつかなくて物納もダメ。せっかく駆け込んだ底地買取業者も買い取ってくれない」。こんな状態になってしまった場合、どうすればいいんでしょうね。
山口
例えば、土地オーナーさんが「相続まで底地を保有するととても大きな負担になるので、どうしても底地を手放したい」というような場合だったら、最終手段として、建物オーナーさんに二束三文で売却するという手もあります。というのは、(極論ですが)建物オーナーさんに1万円で売ってしまうということです。
山口
それからお客様の中には、どうしても売れ残った底地を、お付き合いで弊社が引き受けるケースもあります。(今弊社でも十数件くらいありますが)「再建築ができないような底地を相続前になんとしても処分したい。」というものなどですね。
山口
そんな底地を実際私の方で引き受けてから、どうしたかという例で、建物オーナーさんに二束三文で引き取ってもらった事例があります。ただこの時発生する登記費用や不動産取得税も出せない状態だったケースもありました。その場合には、発生する諸経費の分を融資して、それでも整理するということになりました。土地オーナーさんが二束三文で売却する覚悟がないとできない手段ですけどね。
山口
それでも「建物オーナーさんと交渉して、残った部分は物納して、さらに余った部分は底地買取業者に売却して」と、きちんと整理する手順を踏んだ上で、売れなかった土地を二束三文で処分すれば、最初から底地買取業者へ駆け込んだ場合より、よっぽど資産を残すことができます。
金井
再建築不可の土地なんて(道路に接してない土地なんかそうですが)、現行の法律じゃ建物を建てることができないから、建物をたてるどころか駐車場にすることもできない。そうなると、土地を活用する方法が皆無である都合上、誰も買い取ってくれないわけですよね。
金井
そういう土地って価値がないのに相続税けっこうかかるんですよ。再建築不可の土地って値引きしてもらえるんですけど、少ししか引くことができない。このように、土地が実際に売れる金額と、相続税の評価が離れているってことって結構あるんですよ。かといって土地オーナーさんが納得しなくて税務署と激突したというケースも多いんですが、残念ながら土地オーナーさんが勝ったケースはほとんど聴かないですね。税務署はあくまで税法・通達通りに課税しているため、裁判所もなかなか味方してくれません。
金井
このような先を見越して、保有したまま苦しむことが想定されるなら、むしろ二束三文で手放してしまうというのも悪い選択肢じゃないのかなと思いますね。

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